或る草の音

そこにある音楽 ここに置く音楽

2019-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬のオカリナ

ツイッター(どら梅)のほうは冬期休業に入りましたが、こちらはときどき書こうと思っています。 *** 年末になって体調を壊し、臥せている。臥せる前に出先の公園でオカリナを吹いた。もうそのときには体調がおかしかったのだと思うが、吹いているあいだはま…

こおろぎ

ここしばらく雨の音が続いていたが、いつのまにかそれにかわって、こおろぎの声がしていた。 いま聞こえるのは1匹(虫は1頭と数えるらしいが)。夜はいままでは、かねたたきとこおろぎの声がしていたが、いま聞こえるのは、こおろぎの声だけ。 明け方に、…

お地蔵さまとしてのストリートピアノ

前置き。 前回記事で、音楽に「上手/下手」「よい/わるい」はない、そうした評価軸とは関わりない音楽の楽しみ方を切り開いていきたい、という話をちらっと書いた。それをここでは打ち出していきたい、とも書いたのだが、正直なところ「音楽に〜は『ない』…

これから

このブログをあまり使ってこなかったが、ツイッターで書いていた音楽関係のことをこちらで書いていこうと思い直した。 ツイッターではかなりたくさん、音楽をめぐって、特にこのごろはパブリックピアノ(ストリートピアノと呼んだほうがとおりがいいかもしれ…

瀧廉太郎生誕140年記念事業の見聞記につきまして

ホームページ『遠い遠い夢の世界…』の自由帳で告知しました、竹田市での瀧廉太郎生誕140年記念事業の見聞記、きょう9月24日に掲載と告知しましたが、すみませんが遅れています。 3回に分けて掲載予定です。1回目の記事を、このあと日付が変わってから1〜…

晩春 2

薄明かりの残る空に、つつじの花が色で響き合っていた。

晩春

もうだいぶむかし、グリーグの「春(過ぎた春)」が「晩春」と訳されて放送されていたことがある。訳としては正しくないのだが、その「晩春」という言葉のひびきが心に残っていて、この曲を聴くときにそのイメージが心をよぎることがある。そのイメージが、…

奏黙

自分の場合、「音楽」という言葉にそこまで思い入れがない。 このごろ、世間で言われてイメージされているとおぼしき「音楽」と自分の音楽とがどうも合わない感じがしていて、自分の「音楽」と言うのも少しつらくなってきた。 先日、「艸 奏 木 黙」という名…

自分律の音楽

何年か前から、「自分律」の音楽、という考えをあたためている。言葉は固まっていない。自由律俳句という言葉からの連想。自由律と言うのでもよかったのだが、将来的にいろいろな言葉の使い分けをしていきたいと思い、「自分律」という言葉を作って頭の中で…

風が強い。さっきまで降っていた雨はいまは止んでいるが、空気が冷たくなっている。 西のほうで雲が切れて、上弦を過ぎた月が斜めになって落ちかかっている。風に吹かれて傾げているようでもある。

てんとうむし

てんとうむしを見つけた。黒くて星が4つある。このまえ枯れ枝というか枯れた茎を剪定したセイタカアワダチソウの地面近くの葉にいた。 見つけたときはじっとしていたが、私が顔を寄せてのぞきこむと、ぼこぼこ波打っている葉の上を、こまかな足をこまかく動…

窓を開けて座り作業をしていたら、背中が寒くなった。それで、もう春になっていたのだと気づいた。 これまでは冬の中にかすかに春を感じたり、冬とも春ともなんとも言えないおだやかな光を受けたりしていた。これからは、残る冬をしずかに感じていたい。

白木蓮

いつもは3月いまぐらいから咲き始める白木蓮が、今年は早かった。早く開いた花はすでに花弁が落ち始めているが、いまはまだ多くの花を、空に向かってカップのように差し上げている。 白木蓮の花は、曇りの日には空よりも白いことがある。いわゆる純白とはち…

ある街角ピアノのこと

以前訪ねた、ある街角のピアノのことを書こうと思う。 そのピアノのことはだいぶ前から聞き知っていて、テレビ番組で取り上げられているのも見た。あるとき、その街を訪ねる機会ができた。ピアノが置かれている場所も訪ねようと思った。 公共施設のロビーに…

かみなり

かみなりの裂けるような音が耳に飛び込んできて、耳がぴきっと鳴った気がした。鳥が少しうろたえたような声で小さく鳴いた。

タンブラー

…と読むのだと思うけれど、Tumblrというサービスを利用してブログみたいなものを作っている。今日から投稿を始めた。 艸 奏 木 黙 so so moku moku https://sosomokumoku.tumblr.com/ そちらも試験運用というか、試しにしばらくやってみようという感じ。この…

雨水

雨の後、きゅうに暑くなった。晴れた空を、雲が東へと急ぎ流れる。 赤い実をたくさんつけたままのクロガネモチの木と、いまが満開の白梅。 蝋梅の花も残った。花が光に透いて見える。 さわっと風の音がした。白梅の花びらが降ってきた。風の音は、降る花びら…

小雨

しゅろの葉の先から雨水が、間を空けて、ぽっ…、ぽっ…と、したたり落ちていた。そのうちの1回、落ちた水滴が下のしゅろの葉に当たって、斜めに跳ね返った。

ほんだらぎ はちじゅうえん!

鳥が鳴いているのが聞こえてきた。 この時期、いやもう少し春が近くなったらだけれど、うぐいすが鳴き始める。ほとんどの場合、ほーほけきょ、とは聞こえない。ほきょきょきょきょけ、とか、ほーおほっきょきょ、とか。世間では「練習」していると言われるけ…

雪が、向こうは右上から、その手前は左上から、降っていた。もっと手前の雪は上からまっすぐに降りていた。 空の高いところをたくさんの雪の粉が一方向に流れていた。そこから、あきらめたように雪の粉たちがまっすぐ、すっと落ちてくる。花のないたんぽぽが…

月に蝋梅

少し霞んでいたと思っていたが、いま外に出たら明るい月だった。いつもいま時分の満月の頃は、蝋梅の花と一緒に月を見る。蝋梅の花びらが月の光に照らされて、美しく光って見える。 蝋梅の木はうちには2本。もともと畑だった場所にいくつかの木が植えられた…

きつつき

きつつきが来た。窓を開けていたので音で気付いた。最初は白木蓮の木をつついていた。かなり勢いよく、かんかんと音を立ててつついていた。その後、窓から見えない別の木に移ったようで、高さの違う音がこんこん鳴っていた。リズムがあるようにはあまり感じ…

とどまる音楽

とどまる音楽。音を鳴らしてそれがどこか遠くまで飛んでいく、届いていくというより、鳴らしたそのあたりにとどまる。 伝わっていかない。ここにとどまる。誰かの心に届いていくのでなく、ここにとどまる。ここを通りかかった誰かの袖に掠ることがあるとして…