或る草の音

そこにある音楽 ここに置く音楽

museの居処

ストリートピアノの風景【2023年夏】 その5

この夏に福岡・佐賀のパブリックピアノ(ストリートピアノ、駅ピアノ、公共施設のロビーピアノなど「誰でもどうぞ」と開かれているピアノ)を訪ねて聴き弾きした私の体験記、今回がラスト。 過去記事と関連記事 街角のピアノに踊る https://draume.hatenadia…

ストリートピアノの風景【2023年夏】 その4

この夏、福岡・佐賀のいくつかの場所のパブリックピアノ(いわゆるストリートピアノ、駅ピアノ、ロビーピアノなど誰でもどうぞなピアノ)を訪ねて聴いたり弾いたりしたときの体験記、その4。 場所と日時は伏せて、いくつかの場所、いくつかのときをまとめて…

ストリートピアノの風景【2023年夏】 その3

この夏に福岡・佐賀の何か所かのパブリックピアノ(ストリートピアノ、駅ピアノ、ロビーピアノなど誰でもどうぞなピアノ)を私が訪ねて聴いて弾いたときの体験談シリーズその3。場所と日時の子細は伏せて、いくつかの場所のいくつかのときをまとめて載せて…

ストリートピアノの風景【2023年夏】 その2

私が訪ねたパブリックピアノ(ストリートピアノ、駅ピアノ、ロビーピアノなどの誰でもどうぞなピアノ)の場でのピアノ聴き弾きと起きた出来事の体験記。場所と日時の詳細は今回も省略している。 一部の内容は先だってnoteに投稿したことがある。今回新たな話…

ストリートピアノの風景 その場の音と人と出来事と【2023年夏】 その1

パブリックピアノ(いわゆるストリートピアノや駅ピアノ、ロビーのピアノなど誰でもどうぞのピアノ)が設置され公開されている場では、ピアノを弾く人、聴く人、通って行く人やその場所に居合わせる人たちのあいだでいろんなことが起きる。ピアノを弾く人も…

白木蓮

今年は早くに白木蓮が咲き始めた。いまはもう多くの花が茶色のしみを浮かべていて、地面に花弁が落ちてきている。咲き始めたばかりのつぼみが少しだけある。 白木蓮の花を見ているとほんとうになにか、ぽん、ぽんと音がするようで、花を見上げては『艸 奏 木…

降ってきた。 思わず、よう来たね、と口に出していた。待っとったよ、と。自分がそんなふうに思っていたとは思わなかった。 早くも花盛りになってきた八重の梅を包むように、たくさんの雪が舞う。この景色を毎年見てきた。ときどきぱらぱらと音がする。地面…

うぐいす

※ この記事のひとつ下の記事で、瀧廉太郎生誕140年記念事業「遺作『憾』の真実」参加見聞記の非公開化につきましてのおわびを載せています。ご関心を持って当該の参加見聞記を読んでくださっていた皆様には申し訳ございません。 三が日は外出を控えた。2日…

新春

新春は私の住むあたりではまちが静まっておだやか。まだ身体がつらいが、熱がだいぶ落ち着いてきたので、庭の林(薮)に出た。落ちている蝋梅の花を拾おうと思って。 きつつきの音がする。樫の木をかなり不規則なリズムで強く叩いている。しゃがんで聞いてい…

迎 春

むかしは除夜の鐘が聞こえていたけれどいまは花火の音が鳴り響いていた。さっきまで曇っていた空は晴れて、オリオン座の星々やシリウスがしずかに輝いていた。 昨年末からの発熱がおさまらず初詣は見送ることにした。年明けからこういう調子なのでゆっくりと…

こおろぎ

ここしばらく雨の音が続いていたが、いつのまにかそれにかわって、こおろぎの声がしていた。 いま聞こえるのは1匹(虫は1頭と数えるらしいが)。夜はいままでは、かねたたきとこおろぎの声がしていたが、いま聞こえるのは、こおろぎの声だけ。 明け方に、…

晩春 2

薄明かりの残る空に、つつじの花が色で響き合っていた。

晩春

もうだいぶむかし、グリーグの「春(過ぎた春)」が「晩春」と訳されて放送されていたことがある。訳としては正しくないのだが、その「晩春」という言葉のひびきが心に残っていて、この曲を聴くときにそのイメージが心をよぎることがある。そのイメージが、…

風が強い。さっきまで降っていた雨はいまは止んでいるが、空気が冷たくなっている。 西のほうで雲が切れて、上弦を過ぎた月が斜めになって落ちかかっている。風に吹かれて傾げているようでもある。

てんとうむし

てんとうむしを見つけた。黒くて星が4つある。このまえ枯れ枝というか枯れた茎を剪定したセイタカアワダチソウの地面近くの葉にいた。 見つけたときはじっとしていたが、私が顔を寄せてのぞきこむと、ぼこぼこ波打っている葉の上を、こまかな足をこまかく動…

窓を開けて座り作業をしていたら、背中が寒くなった。それで、もう春になっていたのだと気づいた。 これまでは冬の中にかすかに春を感じたり、冬とも春ともなんとも言えないおだやかな光を受けたりしていた。これからは、残る冬をしずかに感じていたい。

白木蓮

いつもは3月いまぐらいから咲き始める白木蓮が、今年は早かった。早く開いた花はすでに花弁が落ち始めているが、いまはまだ多くの花を、空に向かってカップのように差し上げている。 白木蓮の花は、曇りの日には空よりも白いことがある。いわゆる純白とはち…

ある街角ピアノのこと

以前訪ねた、ある街角のピアノのことを書こうと思う。 そのピアノのことはだいぶ前から聞き知っていて、テレビ番組で取り上げられているのも見た。あるとき、その街を訪ねる機会ができた。ピアノが置かれている場所も訪ねようと思った。 公共施設のロビーに…

雨水

雨の後、きゅうに暑くなった。晴れた空を、雲が東へと急ぎ流れる。 赤い実をたくさんつけたままのクロガネモチの木と、いまが満開の白梅。 蝋梅の花も残った。花が光に透いて見える。 さわっと風の音がした。白梅の花びらが降ってきた。風の音は、降る花びら…

小雨

しゅろの葉の先から雨水が、間を空けて、ぽっ…、ぽっ…と、したたり落ちていた。そのうちの1回、落ちた水滴が下のしゅろの葉に当たって、斜めに跳ね返った。

雪が、向こうは右上から、その手前は左上から、降っていた。もっと手前の雪は上からまっすぐに降りていた。 空の高いところをたくさんの雪の粉が一方向に流れていた。そこから、あきらめたように雪の粉たちがまっすぐ、すっと落ちてくる。花のないたんぽぽが…

月に蝋梅

少し霞んでいたと思っていたが、いま外に出たら明るい月だった。いつもいま時分の満月の頃は、蝋梅の花と一緒に月を見る。蝋梅の花びらが月の光に照らされて、美しく光って見える。 蝋梅の木はうちには2本。もともと畑だった場所にいくつかの木が植えられた…