或る草の音

そこにある音楽 ここに置く音楽

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

雪が、向こうは右上から、その手前は左上から、降っていた。もっと手前の雪は上からまっすぐに降りていた。 空の高いところをたくさんの雪の粉が一方向に流れていた。そこから、あきらめたように雪の粉たちがまっすぐ、すっと落ちてくる。花のないたんぽぽが…

月に蝋梅

少し霞んでいたと思っていたが、いま外に出たら明るい月だった。いつもいま時分の満月の頃は、蝋梅の花と一緒に月を見る。蝋梅の花びらが月の光に照らされて、美しく光って見える。 蝋梅の木はうちには2本。もともと畑だった場所にいくつかの木が植えられた…

きつつき

きつつきが来た。窓を開けていたので音で気付いた。最初は白木蓮の木をつついていた。かなり勢いよく、かんかんと音を立ててつついていた。その後、窓から見えない別の木に移ったようで、高さの違う音がこんこん鳴っていた。リズムがあるようにはあまり感じ…

とどまる音楽

とどまる音楽。音を鳴らしてそれがどこか遠くまで飛んでいく、届いていくというより、鳴らしたそのあたりにとどまる。 伝わっていかない。ここにとどまる。誰かの心に届いていくのでなく、ここにとどまる。ここを通りかかった誰かの袖に掠ることがあるとして…