追記 2023年6月15日
下の記事を掲載した後、6月10日に最後まで残っていた第7集の「家路」をロビーピアノにて演奏し、抒情小曲集全曲を完奏した。
演奏させていただいた各所のパブリックピアノを設置運営してくださっている皆様、そしてピアノに、感謝しています。ありがとうございました。
下のリストは完奏後に追記したもの。
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昨年2022年の6月15日から、パブリックピアノ(誰でも弾いていい公開ピアノ:ストリートピアノ、街角ピアノなど)でエドヴァルド・グリーグの抒情小曲集を少しずつ弾いている。今年2023年がグリーグの生誕180年で、グリーグさんの御誕生日6月15日に向けて自分個人でお祝いをしようと、その日のちょうど1年前に取り組み始めた。
いま自分はパブリックピアノを週に1度くらいのペースでどこかで聴き弾きしている。もともと自分がパブリックピアノを弾くときには抒情小曲集から1曲だったり数曲だったりを弾くことが多かった。いまはそうしながらその中で1曲ずつあらためて弾いていく感じで弾き進めている。できれば全曲完遂したいなと思っている。
パブリックピアノは私の近場や出かけていける範囲では、公共施設のロビーや商業施設の空きスペース、駅のコンコースに置かれていることが多い。どの場所も人通りがあるだけでなく、そこで働いている人や休憩している人がいたりして、場の雰囲気もそれぞれ違うし、その場所へのピアノのなじみ方もだいぶ違う感じがする。
抒情小曲集はそれぞれの曲で曲調がぜんぜん違うので、それぞれの場にある程度「合う」曲もあり、そういう曲は気軽に弾くことができるけれど、この曲がどこのピアノの場に「合う」かどうか自分の感覚ではわからないような曲もあった。そういう曲は練習をしてはいても、いつどこで弾けるかわからない。なので全曲完遂ができるかどうかもわからないまま、そのとき弾けると思った曲を弾いてきた。
弾いたときにツイッターに書いたりもしているけれど、これまでに弾いた曲を手元にリストで記録している。この記事を掲載する時点でこれまでに抒情小曲集全66曲のうちの61曲を弾いた。その記録を載せる。後は追記していこうと思う。
【 】は集の番号 2022年6月15日以降の初回分を記載
曲名 日付 場所(通称や記号で表している場所もある)
★ 2023年6月16日追記 この1年の途中でピアノの利用ルールが変わって練習利用が不可になったピアノの場があった。そのルール変更後にその場所で弾いた曲もこの記事の掲載時点ではリストに入れていたが、練習利用ができないピアノの場をパブリックピアノと呼べるのか自分には若干の疑問があり、熟考の末、少なくともこのリストからは外すことにし、あらためてそれらの曲を別のピアノの場で弾いてリストアップした。修正箇所の表示は割愛した。
【1】
アリエッタ 6/15 ソラリア
ワルツ 12/8 ソラリア
夜警の歌 7/20 ソラリア
妖精の踊り 12/10 M
民謡 12/1 ソラリア
ノルウェーの調べ 11/6 イオン小郡
音楽帳 11/9 ソラリア
祖国の歌 5/17 ソラリア
【2】
子守歌 1/9 M
民謡 10/16 JR久留米駅
メロディー 10/8 JR久留米駅(ピアノの設置初日)
スプリングダンス 10/19 ソラリア
エレジー 7/4 ソラリア
ワルツ 11/24 ソラリア
カノン 3/2 ソラリア
【3】
ちょうちょ 3/2 ソラリア
孤独なさすらい人 3/15 ソラリア
ふるさとで 8/14 イオン小郡
小鳥 3/20 ソラリア
恋の曲 5/17 ソラリア
春に寄す 5/5 荒尾総合文化センター「アラオピアノデー」
【4】
即興的なワルツ 11/30 ソラリア
音楽帳 7/3 JR新鳥栖駅
メロディー 9/22 ソラリア
メランコリー 1/11 ソラリア
スプリングダンス 1/11 ソラリア
エレジー 11/20 M
【5】
ガンガル 11/2 ソラリア
トロルの行進 2/23 JR久留米駅
夜想曲 7/2 イオン小郡
鐘の音 3/12 JR赤間駅
【6】
過ぎ去った日々 7/20 ソラリア
ゲーゼ 12/30 ソラリア
幻影 11/9 ソラリア
秘密 2/9 ソラリア
彼女は踊る 2/19 JR牛津駅
郷愁 11/6 JR新鳥栖駅
【7】
風の精 2/1 ソラリア
フランスのセレナーデ 3/2 ソラリア
小川 2/22 ソラリア
まぼろし 10/27 ソラリア
家路 6/10 S
【8】
青春の日々から 5/31 ソラリア
農夫の歌 8/14 イオン小郡
重い心(メランコリー) 3/8 ソラリア
サロン 11/9 ソラリア
バラード風に 9/7 ソラリア
トロルハウゲンの祝婚の日 7/29 ソラリア
【9】
あなたのそばに 11/20 M
山の夕暮れ 7/24 JR篠栗駅
ゆりかごの歌 7/20 ソラリア
メランコリックなワルツ 11/30 ソラリア
【10】
むかしむかし 9/12 ソラリア
夏の夕べ 6/19 JR田主丸駅
小さなトロル 2/6 ソラリア
ハリング 12/15 ソラリア
過去 5/10 ソラリア
こうして弾いてきたそれぞれのときに、そのときのピアノや場の様子、自分がどういう気持ちで臨んだのか、弾いてどうだったのか、そうした思い出がある。そういう意味でもこれをやってきてよかった気がする。
全曲完遂まであと5曲になったけれど、このあとも、いま自分がどこかで弾きたい曲と、ピアノの場のその場その場で自分が感じることとを取り合わせてみながら、弾けると思ったときに弾いていけたらと思っている。
今年6月は瀧廉太郎の没後120年でもある。今年2月には瀧の「憾」をピアノスタジオやパブリックピアノで弾いた。そして6月にはできれば大分に出かけてどこかで瀧の作品を弾きたい(場合によってはオカリナで吹きたい)と思っている。
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このブログやツイッターでときどき書いてきたように、自分は、有名な作曲家や「優れた」音楽作品・演奏の価値を受け取るにかぎらず、さまざまな人が営んでいるさまざまな音楽にそれ独自の意義・意味を見出していきたい、そしてそれを受け取りたいと思っている。今後はその音楽観をさらに深めたいと思っていて、作曲家単位でものを考えて何かをするということは今後は減らそうと思っている。今年の6月が1つの節目かなと思っている。
グリーグの生誕200年の2043年になったら(そのときもし自分が生きていたら)どう考えるようになっているかわからないけれど、当分は、有名であるとか世間の評価が優れているとかでなく、さまざまな人のさまざまな音楽に出会ったそのときのその出来事をだいじに思いながら、音楽について考えたり書いたりしていきたい。自分でも音楽をしていきながら。その中で、グリーグの音楽や瀧の音楽のどれか、何かに、ひとつひとつ触れていけたらと思う。