或る草の音

そこにある音楽 ここに置く音楽

うぐいす

※ この記事のひとつ下の記事で、瀧廉太郎生誕140年記念事業「遺作『憾』の真実」参加見聞記の非公開化につきましてのおわびを載せています。ご関心を持って当該の参加見聞記を読んでくださっていた皆様には申し訳ございません。

 

 

三が日は外出を控えた。2日からは陽に当たりながらひさしぶりに本を読んだり、楽譜を読んだり楽譜絵を描いたりして過ごすようにした。

きょう本を読んでいると、縁側に置いているプランターにうぐいすがやってきた。プランターの縁にとまり、育てている春菊の隣でぱたぱたとしっぽを動かしている。私の椅子は縁側すぐそばだったが、うぐいすが私に気づいていなかったのだろう。

うぐいすは警戒心が強いから薮の中にいつもいて人目に触れにくい、という話をたびたび聞くけれど、私はうぐいすの人間に対する警戒心はめじろなど他の鳥にくらべると少ないと思う。こちらが薮の中に居ると、わりと平気で人の近くまで来る。そうはいってもすぐ目の前にわざわざやってくることはなかなかなく、いまプランターにうぐいすが来ているのは私にはちょっとうれしかった。

うぐいすは少しプランターの縁にとまった後、その向こうの茂みに飛んで入っていった。少し離れたあたりから、きつつきが木を叩く音が聞こえてきた。きょうは樫の木ではないようだ。